白老町は、アイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)が開業する12日から、観光客の交通利便性を高める「交流促進バス」を運行する。JR白老駅とウポポイを起点に町内の観光・飲食スポットを巡る2路線のバスを走らせ、地域の観光商業振興につなげる。
町は、当初のウポポイ開業日に合わせて4月24日に運行を開始する予定だったが、新型コロナウイルス対策でオープンが遅れたため、運行も延期していた。
路線は、白老駅を起点にした「市街地循環バス」(1日20便)と、ウポポイを起点にした「社台・市街地便」(同6便)で、計1日26便走らせる。運賃は大人100円、小中学生50円とし、ウポポイ定休日の月曜日は運休する。
「市街地循環便」は、白老駅―ウポポイ―駅北観光商業ゾーン・観光インフォメーションセンター―スーパーくまがい―町役場―白老駅のルートを15分間隔で運行。「社台・市街地便」は、白老駅を経由し社台地区の菓子店やすし店、カフェ、石山地区の白老牛ファームレストランといった飲食店、仙台藩白老元陣屋資料館などを巡る。同路線の運行は基本的に1日6便だが、水曜日は社台地区と中心部をつなぐ短いルートで1日5便とする。
バスは「ポンチョ」(乗車定員36人)と呼ばれる立ち乗り車両。アイヌ文様やウポポイをPRするデザインを施した2台を活用する。町は、JRなどを利用して来町する観光客の2次交通を確保し、観光・飲食スポットの利用促進を図る。
町はこの他、ウポポイ開業に合わせて12日から、白老駅併設の自由通路に臨時改札口を開設する。駅の乗り替え跨(こ)線橋と自由通路を直接行き来でき、JRを利用してウポポイへ向かう観光客の利便性を高める。臨時改札口の運用は午前8時半から午後6時。