新型コロナウイルスの外出自粛解禁後、海釣り人気フィールドの苫小牧は、晴天になると港も海岸も多くの釣り人でにぎわいを見せている。当然、魚へのプレッシャーも大きく、釣り人同士の競争も激しくなる。そこで、釣り倶楽部担当は目先を変えた釣り場として、サーフ(砂浜)でのロックフィッシングに挑戦した。
ターゲットはアブラコ。場所はサーフでも、海底には起伏が存在し、魚が身を隠す岩や根も点在する。沖合を見渡し、波の変化などからポイントを予測。さらに海岸沿いの消波ブロックや河口周辺なら餌の小魚が多く、1級ポイントとして狙える。
今回は10フィートのルアータックルに3000番台のスピニングリールを選択した。1・2号(20ポンド前後)のPEラインを使い、根擦れ対策のリーダーとして14ポンドのフロロカーボンラインを先端に結んだ。最近までサクラマス釣りに使用していたタックルをほぼ流用した形だ。不意に掛かる大物にも対応できる。
ルアー(ワーム)は大きさ3インチのホッグ系。大きなハサミが特徴のエビを模したクロータイプを選択した。仕掛けは、障害物の周りを集中的に攻めることを想定し、針先が隠れて根掛かりに強いテキサスリグを仕立てた。重りは28~42グラムで、60メートル以上の遠投で「さお抜け」ポイントを狙った。
波が穏やかな夕方。まずは沖合の白波が立っている所を目掛け、全力でルアーをキャスト。重りの着底後、さお先を上げ下げする「リフト&フォール」やスローな「ただ巻き」を繰り返した。2~3投で反応が無ければ、歩いて次のポイントを探す。
しばらくして沖合に根が点在してそうな所を見つけた。キャスト後、リールをゆっくり巻いていると突然、根掛かりのような感覚が伝わった。念のため大きな合わせを1度入れると”グンッ、グンッ”とアブラコ特有の強烈な首振り。時折、きつめに締めたリールのドラグが「キリキリ…」と鳴りながら糸を吐き出す。緊張のやりとりは5分ほど続き、目の前に姿を現した魚は50センチの大物アブラコ。ラインをつかんで持ち上げると、”ポキッ”とフックが折れた。ぎりぎりで手にしたビッグワン。サーフのルアーゲームで攻略できたアイナメに感謝しながらリリースした。