北海道栄高女子バスケットボール部が今年で創部5年目を迎えた。昨年の全国高校総合体育大会室蘭支部予選で初優勝し、次は全道制覇を目指して練習に励んでいる。新型コロナウイルスの影響で高校部活動チームの公式戦は相次いで中止となったが、年度後半にも開催が見込まれる、全国高校選手権大会(ウインターカップ)の北海道予選に当面の照準を合わせる。ガードの今井瞳花主将(3年)は「ベスト4以上を目標に臨みたい」と抱負を語った。
支部予選突破後の昨年11月に苫小牧開催されたウインターカップ道予選では全道4強にあと1勝というところまで迫った。4チームで競った予選トーナメントブロックでは東海大札幌に70―52、2回戦の恵庭南に66―65で勝ち、決勝リーグ入りを懸けて北星女子に61―72で敗れた。今井は「悔しかったけれど、毎年結果は向上してきている。今年こそ決勝リーグに上がりたい」と積極的だ。
道栄女子は2016年に部員1人から歴史がスタート。活動2年目の17年には、今年3月に卒業した世代の入学で計10人になり、公式戦出場がかなうようになった。18年のウインターカップの支部予選で初優勝し、全道大会ベスト16に入った。チームは着実に実力を高めてきた。
日本大バスケ部で4年時に主将を務め、03年のインカレで優勝を経験した同校教員、木村匡宏ヘッドコーチ(HC)が男子部と兼ねて指導に当たっている。木村HCは創部からの3年間を振り返り、「チームの土台をつくっていくという意味では面白さはあったが、前例がない中での活動に部員は苦労したと思う」と語った。
「泥臭いバスケ」を目指す強化方針の下、ハードなディフェンスからファストブレーク(速攻)につなげ、スリーポイントシュートで得点するスタイルを追求してきた。木村HCは「とにかく速い展開のバスケを目指している」と話す。
今年度の道栄女子は総勢28人。機動力を持たせた「スモールラインナップ」に加え、センター吉田夏音(3年)やフォワード桜庭莉李亜(同)らリバウンドに定評のある2人が布陣する。吉田は「(確保する)リバウンドの数をもっと増やすことが目標。アウトサイドのシュート確率も上げてオフェンスでも貢献していきたい」と意気込む。技量伸長に期待が高まるフォワード中谷由菜(同)も「全道トップクラスのチームに通用するようなシューターになりたい」と話す。
今年度集大成の全国大会、ウインターカップの本大会開催は現時点で未定だが、支部と道の両予選は開催される方向で検討されている。今井は「4ピリオド走り続けられる体力と集中力がチームの課題。モチベーションをしっかり維持しながら練習に打ち込みたい」と語った。