ウポポイ 体験交流プログラムを再構築 「見る」「聞く」中心に

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  • 2020年7月7日
ソーシャルディスタンスを確保しながら輪踊りを披露する職員=6月、町民向け内覧会

 12日に開業する白老町のアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)は、新型コロナウイルス対策の一環で、体験交流プログラムを再構築した。工芸品の制作や楽器の演奏など「密」につながる体験の実施は見送り、実演や解説など「見る」「聞く」を中心に展開する。施設ごとに入場制限や所要時間を徹底させ、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を意識するなど、入場者の安心・安全確保を最優先する。

 ウポポイのコロナ対策は、国が示す基本的対処方針や各種ガイドライン(指針)に基づき、管理運営するアイヌ民族文化財団が実施する。6月9~14日の町民向け内覧会で実施したコロナ対策を基本に、体験交流プログラムを練り直した。当初予定していたムックリ(口琴)など伝統楽器の演奏、木彫や刺しゅうなど工芸の制作、シト(団子)の調理、民族衣装の試着などの体験は密閉、密集、密接の「3密」を避けるため当面実施を見送る。

 一方、各プログラムはアイヌ文化を分かりやすく伝えるため、実演や解説を中心に展開する。体験交流ホールや体験学習館、工房、伝統的家屋チセの各施設はプログラムごとに所要時間や入場者数を定める。例えば工房では各見学の所要時間を10分とし、木彫は定員9人で彫る、削るなどの技法を、刺しゅうは定員16人で織り、縫いなどの魅力を紹介する。

 アイヌに伝わる物語を短編映像にして30分間、定員約130人で映し出すなど演出も工夫。アイヌ古式舞踊も当初はホールで披露し、観客の一部も輪踊りに加わってもらう演出を想定していたが、開業当初は屋外のチキサニ広場を会場に、時間や規模を短縮して紹介する。園内の自然を観察しながらアイヌ文化を解説する案内も定員5人、所要時間40分に絞って実施する。

 中核施設の国立アイヌ民族博物館についても、日本博物館協会の予防ガイドラインなどに沿って対策。博物館は1時間ごとの入館者数を決めた上、整理券を配って対応する予定だ。博物館の収容人員は基本展示室が390人、特別展示室が270人だが、入場者数は常時100人以下、1日当たり約900人に調整する見通し。開館記念特別展「私たちが受け継ぐ文化」は予定通り実施し、アイヌ工芸の作家や文化の担い手を中心に紹介する。

 ウポポイ入り口に検温するサーモグラフィーを設置し、体温が37・5度以上の場合は入場禁止にする。タッチパネル画面の操作や音声解説用機器の貸し出しは中止するなどし、訪れる人にもマスク着用やソーシャルディスタンスの確保など協力を呼び掛ける。同財団は「コロナ感染防止に努めながら、アイヌ文化をしっかりと伝えたい」としている。

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