かつてアイヌ民族のコタンがあった白老は、アイヌ文化と深い関わりのあるまちだ。町としても文化振興に取り組んできたが、アイヌ民族の尊厳回復、文化復興のナショナルセンターが白老に誕生したことは誠に喜ばしい。日本の先住民族について白老から世界へ発信する拠点ができたという意味でも、このまちにとって千載一遇のチャンス。地元関係団体と連携し白老アイヌ文化の振興を強めたい。
ウポポイを教育にも役立てていきたい。町は、地元の小中学生がアイヌ民族の歴史や文化を学ぶことも大切にしており、より理解を深める場として生かすつもりだ。
地域活性化も大いに期待している。観光客の受け入れに向け、まちの顔とも言える白老駅や駅前広場は生まれ変わり、悲願の特急停車が実現。国や道による道路整備、町の自由通路建設でアクセスは飛躍的に向上した。駅北に開設した観光インフォメーションセンターなどを通じ、食や温泉といった多様な地域資源をPRし町内観光を促したい。苫小牧や登別などとも連携し、ウポポイを生かした広域観光の取り組みも欠かせない。
国内で新型コロナ感染が続く中、各所で感染防止策をしっかりと行い、安心してウポポイや白老観光に訪れてもらえるようにしたい。
◇
ウポポイが12日に開業する。これを前に地元白老町の各界代表者に期待を聞いた。