車載用半導体センサー製造のデンソー北海道(根橋聖治社長)=千歳市泉沢=は、自社の技術を農業分野に活用することで、地域貢献できないかと模索している。
同社は4月、社内の生産、改善、設計の各部門から女性1人を含む9人のプロジェクトチームを立ち上げた。5~7月にかけて江別市や恵庭市、桧山管内せたな町の農家にメンバーを派遣。人手不足の農作業を支援するとともに、メンバーが現場での実践を通して「役立ち」を模索する。
実際に現場に足を運んだプロジェクトチームリーダーで技術部設計2課の大久保雄係長(37)は「水田の水位管理、ハウスの温度・湿度管理でIoT(モノのインターネット)が進んでいるが、コスト高。農作業は人手の依存が高く、ロボットを助けるセンシング技術(感知器などを使ってさまざまな情報を計測・数値化する)をうまく工業化することで当社ならではのお役立ちを考えたい」とし、「農家の声を聞き、作業の課題を発見して負担軽減や改善につながれば」と話す。