輸入再開へ合意実施を確認 首相、中国主席と初会談

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  • 2024年11月16日

  【リマ時事】石破茂首相は15日午後(日本時間16日午前)、訪問先のペルー・リマで中国の習近平国家主席と初めて会談した。東京電力福島第1原発の処理水放出を巡り、日本産水産物の輸入再開に向けた9月の合意を実施することを確認。首相は中国・深圳市で起きた日本人男児刺殺事件を取り上げ、邦人の安全確保を要請した。習氏は「日本人を含むすべての外国人の安全を確保する」と応じた。

  両首脳は、日中両国が共通の利益を拡大する「戦略的互恵関係」を推進し、「建設的かつ安定的関係」を構築する方針を申し合わせた。

   首相は会談冒頭、「戦略的互恵関係の推進と建設的、安定的な関係構築に大きな方向性を共有する」と表明。「習主席と率直な対話が重ねられる関係を築いていきたい」と述べた。習氏は「日本とともに努力し、戦略的互恵関係を全面的に推進したい」と語った。

  首相は会談後、記者団に「首脳間を含むあらゆるレベルで頻繁に意思疎通、あるいは往来を図り、課題と懸案を減らしていく」と指摘し、相互往来に意欲を示した。自らの中国訪問については「具体的にここで言及するのは差し控えたい」と述べるにとどめた。

  首相は、中国軍機による日本領空の侵犯など、最近の軍事動向に「極めて憂慮している」と伝えた。ロシアと北朝鮮の軍事協力に関しても意見を交わしたとみられる。日本の首相と習氏の会談は、昨年11月の岸田文雄氏以来。

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