成人の日(13日)を前にした12日、成人を祝福する式典が、胆振管内の厚真、安平、むかわ、白老の4町で行われた。それぞれ今年度に二十歳を迎える町民を対象とし、参加者は振り袖やスーツなどを着て会場に姿を現した。旧友との再会を喜び、晴れやかな表情で式に臨んだ。
厚真町では、町総合福祉センターで式典が執り行われ、大人の仲間入りをした25人が出席した。宮坂尚市朗町長は出席者に向け、「地域の方や新しい仲間と手を取り、共感力を磨き、希望を勝ち取っていただきたい」と祝辞を述べた。出席者を代表し、岩間堅士さんが「私たちは広い心、健やかな体、豊かな創造力を培い、自己啓発に努めていく」などと誓いの言葉を述べた。
安平町では、追分公民館で式典が行われ、46人が出席。及川秀一郎町長は祝辞で、住みよいまちづくりに取り組む町の姿勢を説明し、「皆さんも頑張ってほしい」と激励した。出席者代表の鈴木なぎささんは「社会の一員として常に向上心を持って、まい進していく」と決意を示した。
会場では餅つきも行われた。参加者は晴れ着にエプロンを身に着けてきねを握り、威勢良く餅をついて二十歳の門出を祝った。
むかわ町では、四季の館たんぽぽホールで式典が行われ、47人が出席。竹中喜之町長は出席者に対し「まずは今を大事にし、未来への創造の扉を開いてほしい」と祝辞を述べた。出席者代表のあいさつで、小坂優貴さんと渋谷凜さんが「地域で得た教えを消化し、社会の一員として責任を担い、考えて生きることを心に決め、人生を真摯(しんし)に生きていく」と語った。
白老町は昨年に続き、アイヌ民族文化財団(札幌市)の協力を得て「二十歳を祝う会」を民族共生象徴空間(ウポポイ)で執り行った。出席者69人を前に大塩英男町長は「多様な人々が尊重し合う共生社会の一員として、力強く踏み出す一日にしてほしい」と式辞を述べた。
誓いの言葉では、出席者を代表してeスポーツプレーヤーの鈴木琉(るい)さんとフェリー会社のアテンダントクルーを務める田野端乃愛さんが「多文化共生が息づく白老で育った誇りと大人としての自覚を胸に、まい進する」と誓い、大塩町長から「しらおいPRアンバサダー」の委嘱状を受けた。ウポポイPRアンバサダーの俳優宇梶剛士さんは、ビデオを通じ「優しい人になって」とコメントを寄せた。ウポポイ職員による伝統の古式舞踊イヨマンテ リムセ(熊の霊送りの踊り)も行われた。