【シリコンバレー時事】米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊の複数地域で発生した山火事で、地元当局は10日、記者会見で、消火活動の進捗(しんちょく)を説明した。大規模な被害が出た2地区では、鎮圧率が一桁台にとどまっているが、3地区では30%台を超えた。避難命令が解除された地域もあるが、依然15万人超が避難を強いられている。
当局によると、全体の焼失面積は計約150平方キロメートルを上回る。家屋などの建物は少なくとも1万棟前後が損壊したとみられる。これまでに少なくとも11人の死亡が確認された。バイデン大統領は、ホワイトハウスで記者団に死者数について「今後増える可能性がある。安否不明者が多数いる」と述べた。
7日発生した山火事は強風や干ばつで消火活動が難航。特に焼失面積が大きいイートン、パシフィックパリセーズ両地区は鎮圧率が0%で推移していたが、10日朝の記者会見ではそれぞれ3%、8%に上向いたと報告した。市消防局幹部は、パシフィックパリセーズ地区が「夜間の天候に恵まれた」と述べた。再び火の手が広がらないよう人員を配置する。
9日夕には、民家付近で放火しようとした疑いで男の身柄を拘束した。10日の会見では、その後の捜査で放火の疑いでの逮捕には証拠が不十分だと判断し、別の容疑で拘束していると説明した。男が見つかったのは、9日午後に発生した山火事現場の近くだった。