支笏湖温泉から車で20分ほど札幌方面に走り、道道78号線に入るとオコタンペ湖展望台があり、木々の隙間からオコタンペ湖をのぞき見ることができます。
名前の由来はアイヌ語で、その昔この湖を水源とするオコタンぺ川が支笏湖に注ぐ辺りに温泉がありアイヌの人たちがアメマス漁を営む小さな村があった”オ・コタン・ウン・ペ(川下に村がある)”からきています。
オコタンペ湖は、約2000年前の恵庭岳噴火で流れ出た溶岩がオコタンぺ川を堰(せ)き止めて作られた堰止湖で周囲約6・5キロ、最大水深約7メートルの小さな湖です。十勝管内足寄町のオンネトー、然別湖近くの東雲湖とともに北海道の三大秘湖の一つにも数えられており、幕末の探検家、松浦武四郎がオコタンぺ湖エリアに足を踏み入れた際に「仙境と云うべき処有り」と評したと言われています。
三大秘湖に選ばれている理由として水深の浅さ・湖面の反射・季節や時間帯・太陽の当たり方など、さまざまな要素が絡み合うことで湖水の色がエメラルドグリーンやマリンブルー、ターコイズブルーなどにキラキラと変化する神秘的な湖ということが挙げられています。
オコタンぺ湖一帯の森林は針葉樹と落葉広葉樹が自生している針広混交林となっており、この天然林を保存するため森林法により漁岳周辺森林生態系保護地域に設定されています。また、豊かな自然環境を保全するため自然公園法により支笏洞爺国立公園の特別保護地区にもなっています。現在は許可を得た場合や緊急時を除き基本的には立ち入り禁止になっていますが、保護区域設定当初はその意識は薄く下流の道路からオコタンペ湖に登山する人たちもいたそうです。
現在、オコタン分岐からの道道78号線は春まで冬季通行止めになっているので、オコタンペ湖を見てみたい方はゲート開通まで楽しみにお待ちくださいね。
(支笏湖ビジターセンター自然解説員 西川藍)