コミナスの役割や 活動について学ぶ 集中講座に白老東高生参加  白老

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高
  • 2025年1月6日
フィールドワークで地域住民の話に耳を傾ける高校生ら

  白老町社台のNPO法人ウテカンパ(田村直美代表)は昨年12月26、27両日、町中央公民館を主会場にコミュニティナース(コミナス)の活動について学ぶ集中講座を開催した。同NPO所属のコミナスで白老町出身の看護師、須貝夢乃さん(28)と田村代表(53)が案内役となり、白老東高生徒会で会計を務める1年生2人にコミナスの役割や活動のやりがいなどを伝えた。

   コミナスは、看護師の資格を持つ人らが地域で活動し、住民の暮らしの中で心身の健康をケアする取り組み。講座は子どもや若い人たちにもコミナスの活動を知ってもらおうと開いた。

   参加したのは、白老東高1年の細川瑠梛(るな)さん(16)と矢橋歓大さん(16)。2人は昨年秋、同NPOのイベントに参加し、コミナスに興味を持ったという。細川さんは「地域の人たちと友達のような関係を築き、(須貝さんのような)親しみやすい大人になりたい」と語り、矢橋さんも「地域の出来事に積極的に参加したい」と意気込む。

   初日はコミナスの活動に関する動画を視聴後、大町商店街に出て、飲食店や喫茶店、写真店の店主にインタビューするなどフィールドワークを試みた。2人は、同NPOが3月に開催予定のイベントにも参画したい意向で、「学校祭の企画運営にも生かせる体験ができたら」と声をそろえる。

   須貝さんは「コミナスの活動は健康のおせっかいを焼くこと。高校生のやりたいことをサポートするのもコミナスの役割の一つ」と話し、同高校1期生の田村代表は「母校の生徒が活動に興味と意欲を持ってくれるのはありがたく、頼もしい」と歓迎する。

   白老町では、現在2人がコミナスとして活動しているが、安定的なサービスを提供していくためには地域住民の理解や人材の定住を促す自治体側の仕組みも必要とされる。町は2023年10~12月に養成講座を初開催し、近年は看護師資格を持たない受講者も増えている。

  メモ コミナスは島根県雲南市の看護師が2011年に始めた活動が発祥で、17年に担い手育成の会社CNC(旧コミュニティナースカンパニー)が設立された。少子高齢化に直面する地方自治体では医療サービスが低下し、高齢者らの病気や健康不調の兆しに気づきにくくなることが懸念される。全国では、郵便局やガソリンスタンドなどを拠点にコミナスが活動し、住民の病気の早期発見や予防、受診の勧奨、徘徊(はいかい)による行方不明者の保護などにつなげている事例もある。

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