成長と結実

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  • 2025年1月4日

  日胆管内は割と穏やかな三が日だった。Uターンの混雑が始まっている。いつもの年初の光景に安堵(あんど)する。

   干支(えと)は十二支で表すが、もともとは十干と十二支を組み合わせた60通りの年号を表すという。これに照らせば今年は乙巳(きのとみ)。ある企業のサイトで「乙はいまだ発展途上の状態、巳は植物が最大限まで成長した状態を意味する」とし、これまでの努力や準備が実を結び始める「成長と結実の時期」と紹介していた。ぜひ、あやかりたい。

   本紙は今月15日に創刊75周年の節目を刻む。戦後の混乱期を過ぎた1950年の本紙前身「南北海」の創刊日。当時の田中正太郎市長は祝辞で「必ずや郷土発展の基盤となり一大勢力となつてこれ(飛躍をなしとげんとする当市)を指導促進する」役割に期待を込めた。この2年前、苫小牧は町から市へ昇格を果たしている。戦後の混乱期、3万人余の市の長は「大苫小牧の建設」を掲げ、世界初の人工掘り込み港建設、市営バス運行に突き進んだ。市民は5年、10年先のまちと暮らしに希望を感じたに違いない。

   苫小牧は昨年12月、新たな市長が誕生した。20万人都市を目指すという新市長のまちづくりが本格始動する。令和の時の成長と結実の歩みを注目したい。(司)

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