旅客機が着陸失敗、179人死亡―韓国 バードストライク、車輪出ず炎上―バンコク発LCCのボーイング機

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  • 2024年12月30日

  【ソウル時事】韓国南西部・全羅南道の務安国際空港で29日午前9時3分(日本時間同)ごろ、乗客乗員181人が乗った旅客機が着陸に失敗して炎上し、消防当局によると、179人が死亡した。客室乗務員の男女2人が救助され、病院に搬送されたという。

  事故機はボーイング「737―800」型機で、韓国の格安航空会社(LCC)済州航空運航のバンコク発便。旅客機が鳥と衝突する「バードストライク」が起きた可能性がある。乗客の内訳は韓国人173人、タイ人2人で、乗員6人はいずれも韓国人のもようだ。日本の外務省によれば、日本人の搭乗者は確認されていない。

   韓国国土交通省によると、事故機が1度目の着陸を試みた午前8時分、空港の管制塔は同機に対しバードストライクへの警戒を呼び掛ける注意報を出した。事故機の機長はこの2分後に遭難信号を発信し、滑走路への進入許可を得て2度目の着陸を行った。車輪が作動しなかったとみられ、胴体着陸だった。

  韓国メディアは、事故機が猛スピードで滑走路を進んで壁に衝突し、激しく炎上する映像を伝えた。着陸前に上空で右エンジンに鳥が吸い込まれ、炎が見えて爆発音が聞こえたとの乗務員の証言もあり、エンジンや油圧系統が故障した可能性がある。事故調査委員会は現場からブラックボックスを回収した。

  大統領職務を代行する崔相穆・経済副首相兼企画財政相は政府の対策会議で「国民の安全と命に責任を負う政府首班代行として、言葉にできない悲痛と申し訳ない気持ちだ」と表明。来年1月4日までの1週間を「国家哀悼期間」に定めると明らかにした。

  済州航空代表は記者発表で「搭乗者と遺族の方々に深い哀悼と謝罪の言葉を申し上げる」と表明した。旅客機には過去に事故歴がなく、定期整備では「異常はなかった」と説明した。同社は日韓間の路線も拡大しており、今月日から務安国際空港と長崎空港を結ぶチャーター便の運航を開始したばかりだった。

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