「凍眠」白老牛を販売 天野ファミリーファーム 液体冷凍技術で品質維持  白老

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  • 2024年12月26日
導入した「凍眠」ミニと返礼品のステーキを手にする天野社長

  白老町白老766の白老牛焼き肉専門店「天野ファミリーファーム」は、テクニカン(本社横浜市)の液体冷凍の特許技術「凍眠」を活用した凍結機で鮮度や品質を維持した「白老牛」を販売している。天野勝人社長(38)と母親で役員の志保子さん(67)は「おいしいままの状態で商品を長期保存でき、発送、輸送もできるようになった」とPRする。

   天野社長によると、冷凍スピードが遅いと肉の細胞が傷つき、解凍時の品質低下につながる可能性がある。冷凍庫中の乾燥や酸化などで品質が劣化する「冷凍焼け」すると廃棄しなければならない場合もあるため、上質な味や鮮度を保つ方策を模索していた。

   「凍眠」技術を生かした凍結機では、マイナス30度のアルコールで瞬時に凍結させることで肉の細胞へのダメージが少なくなり、高品質な状態を維持できる。機器が厨房(ちゅうぼう)に入らない大きさのため導入できずにいたが、11月に訪日客の日本酒人気に応えるために出向いた新潟市で最新食品関連機器を展示するイベントに遭遇。会場で小型機を見つけて導入を即断した。町内での導入は寿司店じゃのめ(社台)に次いで2例目。

   白老牛の需要がふるさと納税の返礼品や通販で増える中、「配送に時間がかかる地域には、おいしさを100%届けるのが難しかった」と振り返る天野社長。凍結機の使用で品質維持に自信が持てるようになり、すき焼きやステーキ、しゃぶしゃぶ用肉のほか、季節の果物やレストランで提供するデザートなどにも活用していく考えだ。

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