厚真町の厚真高校(佐瀬雅彦校長)は13日、手話学習を行い、家庭科授業を選択した3年生11人が聴覚障害者に手話で自己紹介をした。生徒たちは地元で手話を手ほどきする、あつま手話の会「てのひら」の土居琴恵代表の指導を受けながら、両手を真剣に動かしていた。
手話に理解を深めてもらう毎年恒例の活動。自己紹介と歌を手話で表現することを目指し、手話の会のメンバーから全3回、指導を受ける。
この日は3回目の授業で、土居代表と室蘭聴力障害者協会会員の和田由記子さん(51)=苫小牧市在住=が同校を訪れた。最初に指文字で五十音を教え、生徒たちは名前と誕生日、好きな色、趣味、好きな季節を手話で和田さんに伝えた。
この後、和田さんは聴覚障害者の日常として、自宅に人が来てドアチャイムやドアを開けた音が分かったり、電話がかかってきたことに気付いたりできるよう、光や振動で伝えるお知らせランプを使って対応していること、電話で話す際は、通訳オペレーターが手話と音声を通訳して健常者と聴覚障害者の双方をつなげる電話リレーサービスを使用していることを伝えた。
参加した同校の平目功希さん(17)は「手話はすごく難しかったけど、聴覚障害の人がいた時、今後はできる限り手話を使いたい」と話した。
和田さんは「皆さん、手話を覚えるのが早い。大事なのは顔の表情で、『ありがとう』だけでもいいから覚えてくれるとうれしい」と述べた。