法廷で取り調べ映像再生 プレサンス元社長の国賠訴訟―大阪地裁

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  • 2024年12月21日

  学校法人の土地取引を巡る業務上横領事件で大阪地検特捜部に逮捕・起訴され、無罪が確定した不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の山岸忍元社長(61)が国に損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が20日、大阪地裁(小田真治裁判長)であった。法廷で取り調べの録画映像が再生され、検事が大声で怒鳴る様子が流された。

  小田裁判長は、来年3月21日に中間判決期日を指定し、国の賠償責任の有無について判断を示す予定。

  この日の法廷で再生されたのは、事件を担当した田渕大輔検事が、山岸氏逮捕につながる供述をした当時の部下を取り調べた様子を映した約20分間の映像。

  田渕検事が「どういう神経をしているんですか」と威圧的に迫り、「なめんじゃないよ」と叫びながら机をたたいて捜査方針に沿った供述を促す様子が流された。「バン」という机をたたく音が廷内に響き渡ると、驚いて身をすくませる傍聴人もいた。

  山岸氏は終了後に記者会見し、「田渕検事個人の問題ではなく、組織の問題。組織改革をしないとまた問題が起きる」とし、取り調べの適正化を求めた。

  映像を巡っては、大阪地裁が2023年、約17時間50分の提出を命じたが、大阪高裁が約50分間への大幅短縮を決定。最高裁は今年10月、高裁決定を破棄し、地裁と同時間の提出を国に命じる決定をした。

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