北九州市のファストフード店で中学生2人が刺され1人が死亡した事件で、容疑者の逮捕を受け、現場周辺の住民からは「安心した」「捕まって良かった」などと安堵（あんど）の声が聞かれた。

　事件現場となった同市小倉南区徳力の「マクドナルド322徳力店」を訪れていた60代の会社員女性は「安心した。これからは孫を外に送り出せる」とほっとした様子だった。

　14日夜の事件発生以降、生活安全パトロール隊で子どもの登下校を見守っていた80代女性は「皆さん本当に安堵されていると思う」と話した。小学生の子どもがいる40代男性は「本当に怖かった。子どもは一歩も外に出ていないし、このまま冬休みを迎えてもどこも行けないと思っていた。きょうは近所の公園に一緒に行くつもりだ」と胸をなで下ろした。

　店の前には女子生徒の冥福を祈る人が次々に訪れ、メッセージを添えた花束や菓子、ジュースなどが供えられた。「怒りしかない。許せない」と憤る三田風華さん（29）=同市小倉北区=は、手を合わせながら涙を流した。

　高校3年の男子生徒（17）は「家が近くて不安だったので、捕まって良かった。ただ、まだ分からないことも多い」と話し、動機などの解明を望んだ。