「お変わりありませんか」
先日、マイカーの車検で訪れた自動車ディーラー。こちらは相変わらずだが、担当の男性にはどことなく元気がなかった。店の雰囲気も何だか暗く、スタッフが皆、疲れているように見えた。
どうしたのか尋ねると人手不足が深刻化する中、整備工場の人員が半分に減り大変なのだという。会社も手をこまねいていたわけではない。ベテラン引退などを受け、外国人技能実習生を確保したが次々と辞めてしまった。「皆仕事は真面目で、慣れてくると条件のいい所に流れる。家族のため稼ぐのに必死だから住まいをあてがい、たまに飯とかに誘って悩みを聴いてあげてもいなくなっちゃう」と諦め顔。技能実習生は母国での独立を見据え、より多くの車種を扱える自動車整備工場を選ぶ傾向が強いともいわれる。
絶え間なく車検をこなし、飛び込みの修理、メンテナンスにも対応。系列他店からの応援で何とかしのいできたが「このままで続くわけがない」と人目もはばからず、深いため息を漏らした。「本当に誰かいい人いませんかね」。営業、フロントのスタッフも足りていないといい、帰り際にそう聞かれた。どの業界も人手不足は一過性の問題ではなくなり、企業再編の協議も加速している。 (輝)