むかわ町洋光の鵡川ししゃもふ化場で、2024年度に収容されたシシャモの数は2万4302匹となった。前年度の2591匹から9倍以上増加し、22年に同ふ化場が完成して以降、最も多い捕獲数となった。町内のシシャモ漁が2年連続で休漁となる中、資源の回復傾向が見られる。25年以降の漁を再開するかは、遡上(そじょう)数などのデータを基に漁業関係者が協議して決める。
鵡川漁業協同組合によると、同ふ化場に収容したシシャモは、鵡川河口で11月に資源調査を実施した際、設置したふくべ網4基で捕獲した。22年度は1824匹、23年度は2591匹だった。卵の収容予定数も7382万粒となり、22年の554万粒、23年の583万粒を大幅に上回っている。
同漁協は「23年より捕獲数が大幅に伸び、資源は回復傾向にある」と受け止める。現在、遡上数(推計値)をまとめており、25年1月に理事会で報告する方針。シシャモ漁の実施は鵡川、苫小牧、ひだかの3漁協で構成するえりも以西海域ししゃも漁業振興協議会で協議し、判断する。
シシャモは昭和40年代には約200トンの水揚げがあったが、近年の鵡川漁協の漁獲量は20年が3トン、21年が1・4トン、22年には64キロまで落ち込んだ。23年に29年ぶりの休漁を決定し、24年も資源の回復が必要として2年連続休漁となった。
同漁協は「まだ道半ば。シシャモは町を代表する魚であり、資源回復に最大限努めたい」と気を引き締めている。