白老町は14日、「2024認知症フォーラムinしらおい~認知症になっても住み慣れた街で暮らすために」を町中央公民館で開いた。認知症であることを公表したタレントで漫画家の蛭子能収さん(77)=東京在住=、マネジャー森永真志さんと会場をテレビ電話でつなぎ、町民ら約150人が症状や現状を伝える話に耳を傾けた。
森永さんによると、蛭子さんには認知症の初期に「デパートの中に電車が走ったり、洗濯物が奥さんに見えたりする」など、実際には存在していないものが見える「幻視」の症状が見られたという。蛭子さんは照れくさそうに笑うなど終始和やかな雰囲気で話し、「これからも優しく接してくれたらうれしい」と呼び掛けた。
参加した町高砂町の平野弘さん(80)は「以前より症状が進んだ印象だが、今のありようを見せてくれることで認知症の実際を感じさせてくれた。とてもありがたい」と話していた。
フォーラムは、町社会福祉協議会の庭山了さん(61)が司会を担当。道内の認知症の当事者「ほっかいどう希望大使」の2人を迎えたトークセッションや認知症関連のパネル展も行われた。