山線鉄橋 産業の歴史に触れてみよう

  • 支笏湖日記, 特集
  • 2024年12月13日
支笏湖の山線鉄橋と銘板

 支笏湖の雄大で美しい湖面、周辺の山々などの大自然の中で、ひときわ目を引く朱色の鉄橋があります。「山線鉄橋」です。

 この橋は道内に現存する現役最古の鋼橋でイギリスのパテントシャフト&アクスルトゥリー社が製造し、1899(明治32)年に空知川に架設されました。その後、支笏湖に移設され、王子軽便鉄道(通称「山線」)で使われました。「山線」の廃止後は、支笏湖のシンボルとして親しまれ、1967(昭和42)年に千歳市に寄付されましたが、腐食など橋の傷みが目立ち始めたことから、95~97年に製造当時のリベット締め工法を行うなど、本来の姿を保つ最大限の努力が行われた復元工事が進められ、現在の姿となっています。100年以上前に海外で製造された橋が現役で使われていることを感じながら橋を渡り、橋のたもとの銘板を見て歴史を触れていただきたいと思います。

 「山線鉄橋」について、詳しくは支笏湖ビジターセンター隣の「王子軽便鉄道ミュージアム山線湖畔驛」で紹介しています。このミュージアムには千歳川から引き揚げた「山線」で使われていたレールも展示され、レールの刻印「CARNEGIE ET USA 2540」もはっきり読み取ることができます。これはアメリカのカーネギー製鋼会社のエドガー・トムソン工場で製造された25ポンドレールであることを示しています。カーネギーは1860年代後半から鉄製のレールより耐久性のある鋼鉄製のレールを大量生産するなどして巨財を形成した人物で、カーネギー製鋼会社は1901年にUSスチールに売却されています。当時、アメリカで製造されたレールが太平洋を越えて運ばれ、支笏湖で使われ、それが現存して今、見ることができます。

 鉄橋もレールも輸入品で、実はレールを走っていた機関車も当初はアメリカ製でしたが、後にものづくり技術の集積地であった小樽で製造されるようになりました。この小樽で1936年に製造され支笏湖で走っていた機関車「4号」が唯一、苫小牧市のアカシア公園で大切に保存されています。この詳細、背景もミュージアムに掲示しています。イギリス、アメリカからの輸入、そして国産へと進んだ産業の歴史を支笏湖で感じてみませんか。

 (支笏湖ビジターセンター所長 八川真幸)

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