元競走馬で、とまこまい観光大使を務めるホッコータルマエ(牡15歳)が1日、”お引っ越し”をした。2023年から2年間過ごした浦河町のイーストスタッドから、新冠町の優駿スタリオンステーションに移動した。種牡馬になった17年から2年ごとに二つの施設で供用されてきており、25年からは優駿スタリオンステーションで種牡馬生活に入る。
今年も残り3週を切った。12月に入ると、馬産地胆振、日高でも新しいシーズンに向けての動きが活発になる。大きな動きの一つに、種牡馬を迎え入れる準備がある。現役を引退し戻って来る馬、海外から輸入されて来る馬、馬産地内で繋養場所を移動する馬など、さまざまだ。
ホッコータルマエは、17年に種牡馬生活をスタートし、優俊スタリオンステーションとイーストスタッドで2年ごとに供用されてきた。競馬の世界では、国内外を定期的に往復し供用される種牡馬を「シャトル種牡馬」と呼び、繁殖シーズンが日本の秋に当たる南半球のオーストラリアとは、日本の種牡馬が出向くなど往来も多い。ホッコータルマエは国内での供用であることから、”国内シャトル種牡馬”とも呼ばれている。
競走馬時代にはダートのビッグレースなど17勝を挙げた。苫小牧市で建設業を営む北幸商事の矢部道晃氏が所有し、馬名は企業名「ホッコー」+樽前山の意で名付けられた。現役時代からとまこまい観光大使に就任し、イベントなどでPR役を務めているのは知られるところだろう。
種牡馬としての実績も優秀で、今年は特に地方競馬で産駒の活躍が際立っている。ホッカイドウ競馬ではベラジオゼロが栄冠賞、佐賀ではウルトラノホシが3歳2冠制覇、11月19日の笠松ラブミーチャン記念ではエバーシンスが勝ち、産駒の地方競馬重賞勝ち数は自身最多となるシーズン10勝目。通算では30勝の節目に到達した。(12月10日現在)
25年は種牡馬になって9シーズン目を迎える。新たに種牡馬入りする馬では、JRAで今秋の天皇賞・秋とジャパンCを制しているドウデュース、現役最後の一戦となった今月1日のチャンピオンズCで2連覇で飾ったレモンポップなど、秀でた競走実績を残してきた難敵がそろう。年明け16歳を迎えるホッコータルマエだが元気いっぱい。まだまだ「凄(すご)い父」で頑張る。
(フリーライター・大滝貴由樹)