白老町議会定例会12月会議は11日、一般質問を続行した。貮又聖規氏(会派無所属)は自身に寄せられた匿名の投書に基づいて、町消防職員の退職が人間関係に影響している可能性があると指摘。職場環境改善に向けた取り組みについて町の見解をただした。
貮又氏に寄せられた投書は差し出し人不明で全文ワープロで印字されており、消印は8月22日。上司のパワハラや不透明な支出を告発する内容だが、本間佳令消防長は11月28日に行われた議員による聞き取りに対し、「そうした事実はない」としている。
町も投書の存在を知り、9月から全消防職員へのヒアリングを実施。総務課などによると、11日時点で9割方の聞き取りを終了。完了し次第、意見をまとめ、来年1月中にもよりよい組織体制構築のため職員への情報共有を図る。聞き取りでは、相談窓口が総務課や消防にもあるものの「相談しにくい」「第三者に安心して相談できる場を職場外に設けて」といった声も寄せられたという。
町によると、消防職員の自己都合による退職者は過去3年間に6人おり、平均年齢は25歳。退職理由の内訳は家業継承3人、他業種への転職3人という。職員の定数55人に対し、現在53人。
消防業務は24時間体制で、各種災害対応では組織力を伴う統制が必要となる特殊性があることから、大塩英男町長は「職場環境や人間関係に特に配慮しなければならない職場だ」との認識を示した。大黒克已副町長は「相談が役場や消防内の窓口でなく議員に投函(とうかん)された点において、消防の職場内部が良好でない印象を受ける」とし、パワハラから職員を守る前提で、投書内容の事実を検証する第三者組織を立ち上げることを視野に労働環境の改善強化に乗り出す考えを示した。