鉄道の魅力活用して 観光人材育成事業研修会  道観光機構 催し、情報発信に工夫を 安平

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  • 2024年12月11日
福原さん(右)の話に聞き入る参加者

  北海道観光機構(札幌市)は10日、安平町役場総合支所で「鉄道を活用した全国に向けた情報発信の成功事例について」と題する研修を行った。同機構の2024年度観光人材育成事業の一環で、町内での開催は初めて。元近畿日本鉄道社員の福原稔浩さん(68)が講師を務め、自身の経験を踏まえて道内の鉄道が持つ魅力を活用したプロモーション方法を解説。町やあびら観光協会の職員など11人が熱心に耳を傾けた。

   福原さんは奈良県で鉄道イベントを開催した際、全国から鉄道会社が出展して大勢の来場者を集めたものの、子どもが楽しめなかったことを反省点に挙げ、安平町の場合はSL(蒸気機関車)ブームを知る60~70代や将来に向けて子どもをターゲットにすることを提案。特別バージョンの切符など限定品を製作すると鉄道ファンの購入が期待できるとし、「関西では安平町の道の駅を知らない人もいる。これだけ状態の良い車両があることをPRしてほしい」と話した。

   また、2025年はSLの国鉄路線運行廃止から50年、昭和100年に当たることから、「50年前の鉄道の写真や映像を流すとか、昭和を振り返るような企画をすると良いと思う」とアドバイスした。

   質疑応答では、参加者から「SNSで発信しているがヒットしない」、「道内で広域連携が難しい」との質問が出された。福原さんは「ヒットしないのには理由がある。反響をチェックして次につなげてほしい」、「連携のハードルを下げる努力を。待っていても(客は)来ない」と答えた。

   研修は、同機構が道内各地の観光関係者を対象に行う取り組み。研修終了後、町商工観光課は「SL廃止50年や昭和100年の話が印象に残り、有意義だった」と話した。

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