厚真町の厚南中学校(石崎和昌校長)は6日、ふるさと教育発表会を開き、3年生11人が町を活性化する方策を、来校した宮坂尚市朗町長ら行政・教育関係者約20人に提言した。生徒たちは同校体育館にブースを設け、起業や人を呼び込むイベント開催のアイデアを伝えた。
ふるさと教育は小中学生が郷土の課題や魅力を理解するための学習。
報告会は小中9年間の総まとめで、3年生は「厚真町で起業するなら」をテーマに、望むまちの姿や実現に向けたアイデアを考案した。体育館には「イベント」と「お店・施設」の2項目に分けて4ブースを設置。アイデアの考案理由、内容、集客方法、考え方などを1回20分で3回発表し、参加者から質問や意見をもらった。
三原脩詩さん(15)は、町内での道の駅開設を提案した。隣町のむかわ町では道の駅にキャンピングカーが駐車し、利用者が休憩している場面を見ることから、「厚真町に道の駅を設置し、農作物の収穫体験や規格外品の販売などを行うと、地域活性化につながる」と述べた。真野光さん(14)は、移動販売車での菓子の量り売りについて発表。自身が好きなことから事業を考案しており、参加者からは事業の具体性などに関する質問が出された。発表終了後、「実際は難しいところもあるが、聞いた人から良い反応があったのでうれしかった」と振り返っていた。
清野百花さん(15)は町の課題を、移動には車が必要、24時間対応できる医療施設が少ない、食品価格の高騰から特に高齢者の生活が大変―と指摘。「解決には、住宅街での店舗の設置、病院での24時間対応、野菜の規格外品を安く販売することが必要」と提案し、町をより良くするために「高齢者が住みよい町、住んでいて楽しい町になってほしい」と述べた。
宮坂町長は「皆さんが社会に出る時、きょうのことを忘れず、実現する力を持ち、将来に花を咲かせてほしい」と期待を寄せた。
町教育委員会は、4年前から小中一貫教育を進め、「ふるさとの未来や自分の将来について深く考え、力強く語ることができる」ことを目指し、中学3年生のふるさと教育発表会を開いている。