苫小牧市長選が1日に告示され、各候補者は本格的な選挙活動に入っている。向こう4年間のまちのかじ取り役を選ぶ選挙だ。市民である有権者は何を基準に選ぶのか。それぞれの候補者の主張をしっかりと聞きながら見定めたい。
苫小牧は産業面での話題は多い。企業立地や操業で活気づく苫小牧東部地域をはじめ、隣まちの千歳市で進む次世代半導体の工場の波及効果も期待は膨らむ。ただ、期待感が先行しすぎると、本質を見誤る。ここは冷静な見極めが必要だ。
まちづくりでの最大の課題は、やはり少子高齢化と人口減少対策だ。地方都市が抱えるこの問題にどう向き合うのか。ここ2年間をみても、年間で千数百人も減っている人口減に歯止めを掛けるのは容易なことではない。長期的な視点での政策が必要ことは数字が物語る。少子高齢化対策も短期的な取り組みで解決できる課題ではない。首長の役割は4年後のまちの姿を見据えながら、その先を見通した具体策を提示していくことだろう。
兵庫県知事選や名古屋市長選ではSNSが少なくとも選挙戦に影響を及ぼしたと言われる。若い世代が政治に感心を持つのは大歓迎だが、デマや誤った情報に惑わされることのない判断が必要だ。貴重な一票。重みを感じて投票を。(昭)