【カイロ時事】レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは2日、イスラエル軍の拠点を標的に「警告攻撃」を実施したと発表した。イスラエル軍はレバノンと接する占領地シェバ農場に向けて飛翔(ひしょう)体2発が発射されたと説明。これを受け軍はレバノン各地に空爆を加えた。停戦後ヒズボラが攻撃を公表するのは初めて。応酬となれば、停戦状態は崩壊することになる。
イスラエルとヒズボラの停戦は11月27日に発効したばかり。ヒズボラは声明で、攻撃について「イスラエルによる度重なる合意違反への対応だ」と説明。イスラエルのネタニヤフ首相は、ヒズボラの攻撃は重大な合意違反だとして「強力に対応する」と表明した。
イスラエル軍によると、飛翔体は空き地に落下し、負傷者は報告されていない。停戦後もイスラエル軍は、依然としてレバノン南部でヒズボラが活動しているのは合意違反だと主張して南部を中心に攻撃を続けていた。ロイター通信によると、南部では12月2日、イスラエル軍の攻撃で少なくとも2人が死亡。レバノン軍は北部で活動中の軍のブルドーザーが標的になり、1人が負傷したと発表した。
イスラエルのメディアは2日、停戦を仲介した米政府のホックスティーン特使がイスラエルの合意違反を同国に指摘したと報じた。米国と共に停戦を監視するフランスもイスラエルが約50回にわたり合意を侵したと主張したと報じられている。