花はアイヌ語でノンノという。美しく、かわいらしい言葉の響きをそのまま形にしたような、ピンクの花をポロトの森で見つけた。清流のそばでひっそりと咲くその名はクリンソウ。アイヌ民族の物語が残るポロト湖の辺りの森でも古くから自生し、初夏の訪れを告げる草花だ。花言葉は「幸せを重ねる」。アイヌ民族の女の子たちは誰かとの幸せを祈りながら、花摘みをしただろうか。
企画「Kamuy」では、白老町在住のフォトグラファー永楽和嘉(えいらく・わか)さんがアイヌ民族の精神世界を表現したアート写真を紹介する。毎月1回掲載。
写真・文―永楽和嘉。撮影場所―白老ポロト自然休養林。撮影協力―菊地純、北海道栄高校陸上部。
※モデルなど撮影協力者を募集中。連絡先はメールアドレスwaka.eir.ph@gmail.com