自然破壊と感染症

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年6月23日

 苫小牧市美術博物館で21日まで開かれていた企画展「水と生命―川と生き物のつながり」が伝えたかったのは、自然には一つとして無駄がない―ということではないか。展示を見ながらそう思った。

 微生物や水生昆虫、魚、鳥など川をめぐる食物連鎖。その過程で水に溶け込んだ栄養素は海に流れて魚を育て、母川に戻ったサケなどを森の陸上動物が捕食する。壮大な生態系を育む陸と川、海の生物の絶妙な絡み合い。一つでも欠けてしまえば環境の健全性は崩れてしまう。だから自然の恩恵を受けて生きる人間は、生き物たちの営みを脅かしてはいけない。「水と生命」はそんなメッセージも伝わるいい企画だった。

 常に自然の重要性を意識する人は少ない。だが、新しい感染症のまん延と生態系かく乱が深い関係にあると知ればどうだろう。SARS(重症急性呼吸器症候群)や新型インフルエンザ、MERS(中東呼吸器症候群)、新型コロナ。近年頻発する動物由来の感染症流行は、森林破壊などで野生動物と人の暮らす境界が曖昧になり、ウイルスが人へうつりやすくなったことも背景にあると多くの科学者が指摘する。地球環境を軽んじる開発行為への自然界の報復か。

 これ以上、新型ウイルスの発生頻度が高まれば、人類は対応できなくなってしまう。生態系を壊さない持続可能な経済活動の構築に急がなくてはならない。(下)

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