④仲間との再会楽しみ 巣ごもり「あっという間」、スクラップ、読書、手芸に料理

  • 暮らしの記録, 特集
  • 2020年6月22日
時代劇小説を楽しむ能登さん

  「そろそろ仲間たちと会えるのがうれしい」。苫小牧市本幸町の能登智江子さん(83)は独り暮らし。新型コロナウイルスの感染拡大防止策で、道や国の緊急事態宣言、外出自粛、札幌や道外との往来自粛などが続いた間、友人らと会うのを控えていた。ほぼ全ての規制が解除され、「仲間と話し、笑うのが健康に一番だから」と再会を待ちわびる。

   3月に活動を終えた老人クラブ、本町楽老会で最後の会長を務めた。高齢化や後継者不足を理由に終幕したが、「月1回程度は仲間で集まろう」と決めていた。10人程度で定期的なお茶飲みを考えていたが、コロナ禍で一度も会えていない。通っていた長生大学も休校になり、「一人で家にいると声を出すことがない。あまり笑うこともなかった」と振り返る。

   もともと「家の中でじっとしているのは好きではない」という性格。生活リズムは大きく変えず、幅広く興味を持つことで「巣ごもり」を乗り切った。朝夕新聞が来るのが楽しみで、気に入った記事をスクラップすることが日課。読書は時代劇小説を中心に読みあさり、NHKの大河ドラマにはまった。手芸や詩吟と多趣味で、料理や洗濯、掃除もすべて自分でこなす。市内に住む娘もしょっちゅう顔を見せ、「意外とやることが多く、あっという間だった」と話す。

   5月までは外出も必要な買い物にとどめたが、運動不足を解消するため一度の外出で往復30分以上は歩いた。「誰かに迷惑だけは掛けたくない」と社会的距離などを意識したが、「コロナは目に見えるものではないから、あまり気にし過ぎても仕方がない。マスクや消毒など『こうしなければ』ということを守っていけば」と割り切る。

   7月からは友人と会う機会も増えそうだ。「みんながやれることをやって、マスク姿でも笑顔で会いたい」と望んでいる。

  (金子勝俊)

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