今年度、苫小牧地区バスケットボール協会の会長に南一也氏(61)が就任した。苫小牧市教育委員会子ども支援室「あかり」で教育相談員を務める元教員で、苫小牧凌雲中学校男子バスケットボール部を指導時に全国中学校体育大会(全中)に導いた。昨年は和光中男子が全中出場を果たすなど、苫小牧のバスケットボール界に光明が差す中、組織をまとめ、発展させる役割に期待が集まる。展望を聞いた。
―1994年の全中出場を振り返って。
旭川開催の大会だった。3チームの予選リーグで、羽城(秋田)に38―89、川内北(鹿児島)に55―70で敗れた。悔しさはあったが、上には上がいると感じた大会だった。バスケの奥深さを改めて認識した機会になったと思う。
―バスケットボールの魅力は。
競技は高校から始めた。中学時代はサッカー部だったので、フォワードやガードとして、とにかく走って点を稼ぐ選手だった。試合展開の早いところがバスケットボールの魅力だと思う。用意した戦術やセットプレーがはまったときも面白い。指導者としては、選手の個性を見極めて起用することが妙味となった。どの選手も活躍の場面が与えられるのがこのスポーツの醍醐味(だいごみ)だと思う。
―昨年は和光中が全中に出場した。苫小牧の競技力をどう見ているか。
小中高どのカテゴリーでも全国大会に行けるチャンスはあると思う。和光中に続くチームが次々と生まれて、この流れを継続できたらと思う。指導者間の連携も図って競技力を高めたい。苫小牧から男女トップ選手を輩出することも競技の発展には必要になってくる。
―会長として進めていきたい取り組みは。
全体的に審判員が不足している。指導者現役の頃に審判をすることを通じて指導者間の交流ができたという経験があるので、もっと積極的に笛を吹く人が増えてほしい。各チームで外部コーチを取り入れるのも有効だ。カテゴリー同士のつながりを増やし、情報交換を活発にするべきだ。取り組みを通じて苫小牧のバスケットボールを盛り上げていきたい。
南一也(みなみ・かずや) 1958年生まれ。室蘭市出身。室蘭栄高校、北海道教育大旭川校卒業。勤務した苫小牧凌雲中学校で94年に男子バスケットボール部を全国中学校体育大会出場に導いた。苫小牧地区バスケットボール協会では審判委員長を経て、今年度から会長に就任。苫小牧の澄川小で校長を務めた昨年の3月に定年退職。現在は苫小牧市教育委員会子ども支援室「あかり」の教育相談員。