言葉の力

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年6月16日

 真夏日となった先週末の札幌。久しぶりに中島公園を歩いた。木々の若葉をそよがせる爽やかな風も吹いていた。すれ違う人のほとんどがマスク姿。コロナ禍で、異例の初夏が行く。

 休業要請が解除された先日。映画「三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実」(豊島圭介監督)を見た。TBSが保管していた映像を基に製作されたドキュメンタリー作品。時代は1969年5月13日の東大駒場キャンパス。その年の1月、安田講堂事件で敗北した東大全共闘が企画した討論会。1000人を超える学生が待ち受ける中、作家の三島さんが一人で登壇。思想も立場も正反対の両者が、言葉によって堂々と渡り合う。あの時代の風に引き込まれた。

 反体制派の学生たちを前に三島さんは落ち着いた表情で、こう語りだす。「私は諸君の熱情は信じます」、「全部は肯定しないが、知識人のうぬぼれという鼻をたたき割ったという功績は絶対に認めます」―。討論はののしり合いではなく、難解だが、建設的な議論に発展していく。討論会で三島さんと最も渡り合った東大全共闘随一の論客、芥正彦さんは半世紀後のインタビューで「言葉が力があった最後の時代」と振り返る。

 「分断」が進む現代。顔の見えないネットの中では立場が違う相手を敵視し、罵詈(ばり)雑言が飛び交う時代に変わった。潔い姿勢とは何か。半世紀前の映像を見て、そんなことを考えた。(広)

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