支笏湖漁業協同組合は10日、ヒメマス稚魚の放流作業を千歳市の支笏湖で行った。今年も18万5000匹を放流。湖に放たれた稚魚は元気いっぱいに湖面を泳ぎ、やがて水中深くへ潜っていった。
ヒメマスのふ化増殖事業を担う同漁協。昨年10月に捕獲した親魚から魚卵を採取し、人工授精後に湖に面したヒメマスふ化場のふ化槽内で保管してきた。今年1月ごろからふ化が始まり、5月に放流年を識別するためのひれ切り作業を施し、放流日を迎えた。
稚魚の体長は5センチほど。放流は従来5月に行っていたが、近年は餌となるプランクトンが増える6月に実施。また、ふ化槽内では水流を起こすことで体力を付けさせるなど、生存率を上げるための工夫もしている。
同日は漁協の職員ら4人が作業に臨み、ふ化槽からプラスチック製の容器に稚魚を移して、船着き場まで運んだ。動力船に積み込み、沖合1キロほどの地点まで運搬。バケツなどを使って稚魚を湖面に放つと、しばらく銀色の魚体を光らせながら水面を漂った後、元気に尾びれを動かして水中に消えていった。
同漁協では「例年通り順調な育ち具合。4年後に親魚となる頃にはブランド化をより進めていたい」としている。