先週掲載の釣り紀行で紹介した、上川管内の源流のオショロコマに出合った後、釣り倶楽部担当は平野部へ移動。同管内を南下し、美瑛町から富良野市にかけての石狩川支流でリールなしの延べざお釣りを試みた。本命は解禁後のヤマメ。過去に何度も足を運んだなじみの川だけに、数年ぶりでも期待は高まる。現地では50センチオーバーのニジマスが潜む川としても知られているが、今回は延べざお仕様のためご勘弁願いたい。
ヤマメ釣りに挑戦
現地に到着すると、川の水は若干白く濁っているものの、水位は程よく低く釣りやすい雰囲気。ただ、大雪山系の河川と同様、河川敷や支流を見渡すと倒木が目立つため、木の枝や根掛かりに注意が必要と感じた。
仕掛けは前回と同じ2・7メートルの延べざおに0・4号のナイロンライン。4号のヤマメ針に餌はサシを使った。
前回の釣りはサシが小さかったせいか、餌を付ける際に針が一部露出した。ターゲットのヤマメは警戒心が強く、餌を付ける際も細心の注意が必要だ。針を隠すように餌は2~3匹つなげる工夫を施した。
強敵に悪戦苦闘
入渓地点のすぐ前に、ちょうど良い倒木があり、一部で流れが緩やかになっているほか、本流との合流地点では渦を巻いていた。流れの変化がある場所は、水中に障害物があり、魚が虫などの補食ターゲットを待っている場合も多い。早速、仕掛けを狙いの5メートルほど上流から流れに乗せてゆっくり沈めた。すぐに手元に”…コンッ”とわずか一瞬の当たり。合わせを入れるも、時すでに遅し―。間違いなくヤマメの当たりと確信する。
久しぶりの強敵。さおを持つ手の神経を研ぎ澄まし、何度目かの挑戦で体長10センチほどのヤマメを手にできた。
生後1~2年の子どもだが、うっすらと銀色に輝く魚体、特徴的なパーマーク(小判型の模様)の美しさに目を奪われる。
その後もヤマメ数匹を釣り上げ、上流に向け移動した。途中、川の流れの中に直径1メートルほどの大きな岩を発見。川の流れが岩にぶつかり、勢いが殺されて水の流れの一部が反転している。岩陰に魚が居着いている可能性を期待し、そっと餌を流し込むと”グンッ…”と引っ張るような当たりを手にした。
しばらく引きを楽しんだ後に上がってきたのは、淡いグレーの魚体に白い斑点が美しい体長15センチほどのエゾイワナ。降海型はアメマスとなり、大きいと体長70センチを超えてルアーフィッシングの人気ターゲットだ。その後も、各ポイントでヤマメやエゾイワナを釣り上げ、納竿(かん)した。
豊かな自然に囲まれて久しぶりの川釣りに満足し、帰路に就いた。