胆振東部地震後の苫小牧港での災害復旧工事が大詰めを迎えている。同港・東港内で続く国直轄の物揚場の修復工事も7月までに完了する見通し。同地震発生から1年9カ月がたち、損傷した岸壁や、臨港道路などが徐々に震災前の状態を取り戻している。
2018年9月の同地震で強い揺れに見舞われた苫小牧市内では、東港の苫小牧国際コンテナターミナルの進入路やコンテナ保管エリア全体で液状化や陥没、段差などが発生。西港中央北埠頭(ふとう)周辺でも臨港道路が沈下したり、岸壁の背後地でひび割れが生じたりした。
苫小牧港管理組合は、東西両港と勇払マリーナで護岸や港湾道路の復旧など計21カ所の工事を計画した。請負工事費は約8億7000万円。18年度は3カ所、19年度は残る18カ所の工事を進め、今年3月には残っていた臨港道路・東港東部南線(1290メートル区間)の舗装工事を終えた。
一方、国土交通省の室蘭開発建設部苫小牧港湾事務所は、西港中央南埠頭や東港の国際コンテナターミナルの岸壁補修など計4カ所の復旧工事を進めてきた。請負工事費は約17億円。19年度までに3カ所の工事を完了し、最後に東港浜厚真地区の物揚場の復旧工事を実施している。
同事務所は「7月に完工予定。これで同地震絡みの苫小牧港の復旧工事はすべて終わる」としている。