優至会塚本道場の工藤一彦(39)は昨年11月の第15回オープントーナメント全福島空手道選手権大会(国際空手道連盟極真会館世界総極真主催)男子シニア(38歳以上)で準優勝し、来年4月に延期された第2回総極真世界空手道選手権大会の出場権を獲得した。新型コロナウイルスの影響で世界大会は1年延期となったものの、初制覇を目指して鍛錬の日々を過ごす。抱負を聞いた。
(聞き手・石井翔太)
―新型コロナウイルスの影響で対人稽古が休止した間の状況は。
道場の仲間と練習できないことが、これほどつらいこととは想像してなかった。家の中ではできることが限られるので、模索しながらやった。本格的に練習が再開されるまでに、できることをしたいと考えた。
―自主練習中はどんな内容で鍛えたか。
筋力トレーニングをメインに行っており、自分の体重で負荷をかけるトレーニングや懸垂で鍛えている。同じ道場に通う長男の慶斗(苫小牧工業高2年)と室内で軽いスパーリングも行って、実戦感覚を維持した。ただ、個人練習では超えられないものがあると実感した。道場のみんなと練習するから達成できる目標があると思う。体づくりをしっかりやっておきたい。
―昨年福島県で開かれた第15回オープントーナメント全福島空手道選手権大会で準優勝。手応えは。
福島の大会の決勝では、師匠である塚本鉄兵代表と師弟対決が実現した。壁が高かったと再認識したが、次にまた塚本代表と試合ができれば、五分以上には持ち込めるように頑張りたい。
―現在克服に向けて取り組んでいる課題について。
昨年の試合の中で、下半身の弱さを痛感した。特に試合終盤で足が動かなくなる。下半身強化のために、縄跳びも練習メニューに加えた。技についてもパンチが得意だが、キック系も増やすつもり。試合では下段、中段蹴りを使うことが多かったが、上段も蹴れるように練習している。
―来年、静岡県開催の世界大会が控えている。出場に向けた抱負は。
福島大会や同じく全世界空手道連盟新極真会のカラテドリームフェスティバル2019全国大会では、「準優勝に終わっている」から、あくまで優勝にこだわりを持ってやっていく。より大きいトロフィーを道場に持ち帰りたい。
工藤一彦(くどう・かずひこ) 1980年生まれ。苫小牧市出身。駒大苫小牧高卒業後、市内企業に勤務する。2012年に優至会塚本道場に入門した。初段。19年8月に東京で開かれたカラテドリームフェスティバル、11月の第15回オープントーナメント全福島空手道選手権大会でそれぞれ準優勝した。