安全運転

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年6月8日

  一日のうちに交通事故の加害者と被害者になりかけた。最初はボールを追い掛ける少年が車道に飛び出し、とっさに急ハンドルと急ブレーキ。男の子は緊張した表情でぺこりと頭を下げ、脱兎(だっと)のごとく自宅へと入っていったが、数メートル先で突然起きた出来事に口から心臓が飛び出してしまいそうなほど驚いた。それからわずか数時間後―。今度は自分が車にひかれそうになった。

   場所は公共施設前の国道と市道の丁字路交差点。徒歩で渡っている途中、高齢男性の運転する車が速度を落とさずに右折。どうにか身をかわして紙一重で通過した。あまりにも乱暴な運転に思わず注意すると、悪びれた様子もなく「車道だぞ」とこちらを威圧。悪態をつきながら「急いでいるんだ」と施設に入っていった。

   普段から安全運転を心掛け、余裕を持って行動しているつもりだが、どちらも予期せぬタイミングのことで動揺した。世界を揺るがすウイルスの流行で張り詰めていた自粛生活は徐々に緩和。子どもたちは外遊びを楽しみ、大人は日常の仕事に忙しさを取り戻しているのかもしれない。とはいえ、どんな時でも命を奪い、奪われるような出来事があってはならない。

   一時休止していた免許更新の手続きがきょうから再開した。講習では制度変更の内容や運転マナーの再確認ができる。更新時期はまだ先という人も安全運転と余裕ある行動を心掛けてほしい。(隆)

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