共生社会の象徴

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年6月5日

 新型コロナの影響で閉ざされていた白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)の扉がいよいよ開く。感染拡大の防止で4月開業が延期され、そのままになっていたが、国の緊急事態宣言解除に伴い、まずは地元町民に見てもらおうと町や関係機関が今月、内覧会を企画した。アイヌ文化復興拠点がようやく動きだし、本格オープンも近づく。

 各地から集まる見学者を観光振興につなげたいと、役場や経済団体の意気込みは強い。「千載一遇のチャンス」。官民の会合でその言葉を何度聞いたことか。人口減の小さなまちにとってウポポイは地域活性化の救世主と映る。地元の期待は理解できるし、生かすべきだと思うが、開設の経緯や本来の意義を忘れないようにしたい。

 明治以降の同化政策や近代化にのみ込まれ、生きるために伝統の営みの継承を諦めざるを得なかったアイヌ民族。和人優位社会の中で差別や偏見を恐れ、出自を隠し静かに暮らしてきた人もいる。過去に研究者らが調査と称して墓地を掘り起こし、大学へ持ち帰った遺骨を近年まで乱暴に放置し続けた行為は、民族の尊厳と誇りを深く傷つけた。悲しみの歴史を背負う血筋の人たちの共生社会を願う思いが文化復興と伝承、慰霊の施設を備えた象徴空間を誕生させたのだ。アイヌ民族への見方を変え、多文化共生をどう実現していくか。ウポポイは社会に重い問いを投げ掛けている。(下)

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