バスケットボールの全国中学大会出場経験を持つ苫小牧出身の中学校教諭、村上貴彦さん(36)は今年度、オホーツク管内校から苫小牧明倫中に赴任して男子バスケ部顧問に就任した。苫小牧凌雲中で活躍した元ガードは地区、道大会を勝ち抜いて年代最高峰の夏の戦いに挑んだ。「生徒たちと楽しみながら汗を流したい」と抱負を語った。
村上さんは中学3年時の1998年8月に秋田県で開催された全国中学に出場した。平城東(奈良)、与野南(埼玉)と対戦した予選リーグ1勝1敗で決勝トーナメントに進出。1回戦で昭和北(広島)に敗れたもののチームはベスト16に名を連ねた。
村上さんは10代当時、小柄な選手だったものの類いまれなプレーのスピードやアシスト力を発揮し、凌雲の主軸として活躍。快進撃を重ねた際の強みには「チームワーク」を挙げている。
今年4月に就任した苫小牧地区バスケットボール協会の南一也会長(61)が凌雲中時代の恩師。南会長は村上さんについて「機敏な動きで果敢に切り込むプレーが多かった。ガードとしてもパスセンスがいい選手だった」と振り返る。育った苫小牧への赴任を祝福し、「全国で活躍できるような選手を育ててほしい」と期待している。
村上さんは苫小牧南高校3年時に主将としてチームをけん引し、苫小牧開催だった2001年の全道大会出場を果たした。浅井学園大(当時)進学を機に、自身がプレーする機会からは離れたが、苫小牧で小学生が取り組むミニバスケの試合の審判を務めるなどして指導者になる決心を固めていった。
06年に大学を卒業し、私立高校教諭を経て10年からオホーツク管内の興部町沙留中(当時)と北見北光中に勤務。明倫中では保健体育を教え、1年生のクラスを担任している。
バスケの指導について「伝え方やスキルの習得法について勉強が必要」と謙虚に話す村上さん。「体はまだ動くので、どう動くべきかを見せながら教えていきたい」と張り切る。「勝ち負けにもこだわりたいが、まずは選手がバスケを楽しんでやってもらうことを第一に考えている。自分も学びながら生徒と一緒に成長していきたい」と語った。