新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言が拡大される直前の4月の平日、自宅でガイドの修理を終えたばかりの6・1フィートメバル用ロッドを手に夜の白老港を訪ねた。
午後8時すぎ、漁船が並ぶ岸壁から少し離れた常夜灯周りで水中をのぞき込むと、手のひらサイズの魚影がうようよ。「パシャパシャ」と、水面に波紋が広がるほどの高活性。期待が膨らむ。
仕掛けは0・6号のPE(ポリエチレン製繊維)ラインにショックリーダーでナイロンライン1号を結節。2グラムのジグヘッドに小魚を模したシャッドテールタイプのワーム(2インチ)をセットした。
常夜灯の光が途切れる付近へキャストし、ゆっくりとリールを巻いて誘うが、”見える魚は釣れない”のジンクス通り魚信は皆無。ならばと、ワームを尾の部分が針のように細いピンテールタイプ(2インチ)に変更。仕掛けを落として軽くさおをしゃくり、リールを一巻き。丹念に底を探ると、すぐに激しい当たりを得た。
上がってきたのは体長20センチ超のガヤ。一目で抱卵と分かる立派なおなかだっただけに、すぐに海へお帰り願った。
その後、小型のガヤやクロゾイを数匹上げ、そろそろ納竿(かん)と考えていた時、仕掛けを引ったくるような大きな衝撃。根魚とは異なる横方向への強い引きを御して上げたのは30センチ超のキュウリウオ。小魚を補食するフィッシュイーターだけにワームやルアーで釣れる可能性もあるが、狙って釣る人は少ない。
思わぬ魚種に興奮しつつ、満足の釣果で帰途に就いた。