新型コロナ 緊急宣言の”2度目”解除 感染防止と経済活動両立

  • ニュース, 主要, 新型コロナ
  • 2020年5月27日
政府の緊急事態宣言解除について報道陣の取材に応じる鈴木直道知事=25日午後、道庁

 政府の緊急事態宣言が25日、解除された北海道。2月28日~3月19日に道が全国に先駆けて独自に出した「緊急事態宣言」に続き事実上、2度目の解除となった。ただ、今回は、国の宣言解除基準の一部を満たさないままの政治判断で、鈴木直道知事も「条件付きの解除」と冷静に受け止める。新型コロナウイルス感染拡大の「第2波」の封じ込めは、札幌市を中心とする石狩管内でなお一進一退の状況。宣言は解除されたものの、知事は道の一部休業要請を31日まで継続することを表明。6月以降の取り組みは29日に判断するが、「感染拡大防止と社会経済活動の両立」という難問に再び挑むことになる。

 ■第2波に苦しむ

 「緊急事態宣言解除は、国が判断すること。国がどう判断しようが、今月末までは外出自粛、休業要請、札幌と(他の地域と)の往来自粛は続けていく」「ニュースは解除、解除、解除…一色です。でも解除の行為自体で感染者が減るわけではない。新型コロナウイルスがゼロになるわけでもない。むしろ、より慎重に対応していかなければならない」

 25日に報道陣の取材に応じた鈴木知事は、珍しく激しい言葉を連弾した。

 背景には、いち早い独自の「緊急事態宣言」で第1波を収束させたものの、全国で唯一の第2波が襲い、苦しむ本道の現況がある。東京など本州からの訪問者の感染で拡大したとみられる第2波は、ピークは過ぎたものの、札幌圏を中心に収まっていない。24日には9日ぶりに2桁の15人の感染が確認されている。

 政府が宣言解除の判断基準として挙げていたのが(1)感染拡大の状況(2)重症者数などの医療提供体制(3)PCR検査などの監視体制―の三つ。このうち(1)は人口10万人当たりの直近1週間の新規感染者数「0・5人程度以下」という数値が目安として示されていたが、本道は25日時点で「0・80人」と未達成。(2)と(3)は基準を満たし、総合的な判断でかろうじて解除が決まったとみられている。

  ■医療・検査体制

 こうした本道の感染状況を踏まえ、第2波を早期に収束させて、将来の第3波にも備えるために、知事が力点を注いでいるのが、医療提供体制と検査体制の拡充だ。

 感染の有無を確定させるPCR検査は22日までに、今月中の目標としていた1日当たり1000件の処理ができるようになった。これを近く、1300件まで拡充する計画だ。

 感染者を収容する病床についても「25日時点で700床という病床の確保が進んだ」(知事)。人工呼吸器管理が必要な重症患者用も100床まで増やした。札幌市内に3棟設置している軽症者向けの宿泊療養施設の1棟(アパホテル&リゾート札幌)を特措法に基づく「臨時の医療施設」に位置付け、運用を開始するという全国でも先駆的な取り組みにも着手した。

 知事は「さらに医療提供体制への負荷を減らしていくことが重要。その前提はやはり新規の患者数を抑えていくことだ」と指摘する。

 道が休業要請解除の目安として示すのが「5月末までに目指す姿」。(1)1日の新規患者数10人以下(2)1日の感染経路不明の新規患者数3人以下(3)入院患者数250人以下―という三つの指標だ。26日まで7日連続で目安をクリアしており、知事は「この数値をさらに改善していくことが必要だ」と訴える。

 ■闘いは続く

 緊急事態宣言の解除が決まった25日から、道は休業要請の範囲を大幅に緩和した。だが、ライブハウスやスポーツクラブなど「全国でクラスター(感染者集団)が発生した」施設を中心に全道一律で、新規感染者が集中する石狩管内では映画館やボウリング場などは解除せず、31日まで休業要請が続いている。6月以降の対応は、29日までに決定する方針。さらなる休業要請の解除が焦点になる。

 道民や事業者に「新北海道スタイル」(マスク着用など)を発表して、第1波収束時と同様に「感染拡大防止と社会経済活動の両立」への協力を呼び掛ける知事。

 「解除という言葉だけが独り歩きするのが怖い。そこは警戒しなければならない。この闘いは続く」

 (札幌支社・広江渡)

 新型コロナウイルス関連と道の動き

 1月25日 中国の旧正月の春節始まる。

 28日 中国武漢市から来道した40代中国人女性の感染確認。道内1人目。

 31日 さっぽろ雪まつり・つどーむ会場開幕(大通会場は2月4日開幕。11日まで)。

 2月25日 道内の感染者数が東京都を上回り、全国最多に。

 26日 鈴木直道知事が道内全小中学校に臨時休校を要請(27日~3月4日)。

 27日 安倍晋三首相が3月2日から春休みに入るまで全国の小中高校に臨時休校を要請。

 28日 知事が道独自の「緊急事態宣言」を出して道民に外出自粛を要請。

 3月11日 世界保健機関(WHO)がパンデミック(世界的な大流行)を宣言。

 13日 改正新型インフルエンザ特措法が成立。

 19日 道が「緊急事態宣言」を解除。

 4月 7日 政府が東京など7都府県を対象に「緊急事態宣言」を発令。

 12日 道と札幌市が「緊急共同宣言」発表。

 16日 政府が「緊急事態宣言」対象地域を全国に拡大。北海道は「特定警戒都道府県」に。

 17日 知事が緊急事態措置発表。

 20日 知事が道内全域で休業要請を行うと発表(5月6日まで)。

 24日 道内で45人感染し、1日当たり最多に。

 30日 知事と秋元克広札幌市長が「緊急メッセージ」発表。道民に「札幌に行かない」よう都市封鎖(ロックダウン)相当の行動自粛求める。

 5月 4日 政府が「緊急事態宣言」を31日まで延長することを決定。知事も休業要請を15日まで延長すると発表。

 13日 知事が16日から休業要請の一部解除発表。

 14日 政府が39県で「緊急事態宣言」を解除。北海道は継続。

 17日 道内の感染者1000人超える。

 21日 政府が「緊急事態宣言」を大阪など3府県で解除。

 22日 知事が25日から休業要請を大幅解除することを発表。

 25日 政府が「緊急事態宣言」を全面解除。

こんな記事も読まれています

    •          苫小牧民報創刊75周年記念講演             豊丘村制施行70周年記念講演 入場無料 三國清三シェフ 「70歳からの挑戦」   講師 三國 清三 氏 日時 6月7日(土) 令和7年 開演15時

    • 2025年7月22日
  • テストフリー広告

       苫小牧民報社創刊75周年記念講演会 入場無料  【講師】アルピニスト 野口 健氏  【演題】富士山から日本を変える  ~山から学んだ環境問題~  日時・会場・申込・問合せブロック  2025年(令和7年)8月9日(土)

    • 2025年7月18日PR
    テストフリー広告
  • テストフリー広告

       <!DOCTYPE html>  <html lang=”ja”>  <head>  <meta charset=”UTF-8″

    • 2025年7月18日PR
  • TEST
    • 2025年7月15日
  • TEST
    • 2025年6月26日
ニュースカレンダー

紙面ビューアー