新型コロナウイルスの影響を受けた地元飲食業や宿泊業などの経営を緊急支援する白老町の給付金事業で、窓口の町商工会へ申請に訪れる事業者が後を絶たない。商工会によると、受け付け開始から2週間あまりたった25日までの申請・相談件数は100件近くに上り、外出自粛によって月の売り上げが前年同月比80%減、90%減となった事業者もいるという。政府の緊急事態宣言は25日に解除されたものの、自粛ムードが続く中、商工会は救済の申請がさらに増えるとみる。
町の緊急経営支援は、感染拡大の影響を大きく受けたホテルや旅館、民泊など宿泊業、スナックや居酒屋などを含む飲食業、観光バスやタクシーの旅客運送業へ給付金を出す事業。2~5月のいずれかの月の事業収入が前年同月比20%以上減収したことを条件に、法人へ20万円、個人事業者へ10万円を支給する。
申請の受け付けや交付の手続きを担う商工会は、今月8日に窓口を開設。以降、新型コロナで経営悪化に陥った事業者が窓口を訪れ、手続きを取る光景が続いている。
商工会によると、25日までの申請・相談は97件。このうち、書類の不備や対象外を除いた54件に対し交付決定した。54件の内訳は、飲食業41件、宿泊業11件、旅客運送業が2件を数えた。いずれも月の売り上げが前年同月に比べて大幅に減収し、救済を求める事業者で、最大の落ち込み幅は平均65%。中には道の休業要請で月の売り上げがゼロになったスナックや、外出自粛によって90%以上ダウンした飲食店や民泊もあるという。
商工会の担当者は「飲食業の中でも特に酒類を提供する店は軒並み売り上げが極端に落ちている。観光客の激減で民泊など宿泊業界もかなり厳しい状況だ」と話す。
商工会は、給付金の対象事業者は180件程度を想定しており、「5月の売り上げを見てから申請する事業者が今後相次ぐだろう」と推察。申請は商工会の会員、非会員を問わず、6月30日まで受け付ける。給付金の支給は交付決定から約1週間後となる。
問い合わせは町商工会 電話0144(82)2775。