新型コロナウイルスの感染防止で臨時休館していた苫小牧市内の公共施設の一部が25日、再開した。国の緊急事態宣言に基づく道の休業要請の大幅緩和を踏まえ、苫小牧市が発表していた。市内の各公共施設では自粛生活を続けていた市民がマスクなどで自己防衛しながら早速利用し、趣味や憩いのひとときを楽しんでいる。
市内表町の市まちなか交流センター・ココトマでは午前9時の開館に合わせて数人が来館。通院で月3回利用している白老町の高畑ヨシ子さん(71)は「休館中は駅前で休む場所が無く大変だった。開館はとても助かる」と話す。
施設内のカフェは対面を防ぐため座席の配置を変更。従業員のマスク着用とカウンターへのビニールシート設置、定期的な換気を行っている。厨房(ちゅうぼう)責任者の武田亜紀子さん(45)は「従業員一同ほっとしている」と笑顔で話した。
市内樽前のオートリゾート苫小牧アルテンゆのみの湯では、午前10時のオープン前から約10人が玄関前に列をつくった。夫婦で訪れた市内日吉町の男性(69)は「ずっと待っていた」と笑顔で大浴場へと向かった。
感染防止のためサウナと水風呂は利用停止。休憩スペースでも対策を講じた。平田利明社長は「再開はうれしいが、休館が2度続いたので不安もある」と語った。
文化交流センター(アイビープラザ)では四季彩ステンドグラスサークルの会員が早速集まり、創作に取り組んだ。廣瀬映子代表は「家にずっといると苦しかった」とし、「十分な予防策を取って活動したい」と気を引き締めた。三塚弘館長は「利用者にはマスク着用と換気、消毒の徹底をお願いしている」と話した。
市内では12日から18日にかけて10施設が先行再開。残る43施設は6月1日まで一部で利用を制限しながら段階的に再開する予定だ。