苫小牧市医師会は25日、新型コロナウイルスの感染の有無を調べる「苫小牧PCR検査センター」を市内に開設した。保健所を介す従来の流れとは別に、患者を診た医師が主体的に実施を判断できるようになった。検査体制が拡充され、感染者の早期発見や感染リスクの低減などが期待される。
センターは、道の委託を受けて市医師会が運営。設置場所はプライバシー保護などの観点から非公表とされている。
医師と看護師、事務員を配置し、平日午後2~同4時に1日8人程度を検査する予定。状況次第では時間延長、増員を行う。
検査対象は、同センターと連携する東胆振(苫小牧市と厚真、安平、むかわ、白老の4町)の医療機関を受診し、医師が検査を必要と判断した軽症患者。重症度や年齢を考慮して保健所を介した従来の検査ルートで進める場合もあるという。
医療機関から検査の予約を受け付けたセンターは、患者に来所時間などを通知。患者は自身または家族が運転する自家用車で訪れる。降車してプレハブに入り、医療スタッフによる10秒程度の検体採取が済んだら歩いて外に出る「ウオークスルー方式」を採用。検査費用は無料だが、初診料などが掛かる。
検体は札幌市内の民間検査機関に送り、結果が出るのは2日前後。保健所が患者に報告し、陽性の場合は保健所が対応を決める。市医師会の沖一郎会長は「医師が必要だと思えば、すぐに検査できる体制が整った」と強調。「しっかり準備しておけば、住民も安心してルールに沿った生活ができる」と話した。