政府の緊急事態宣言の継続が決まった北海道の鈴木直道知事は22日、記者会見を開き、25日午前0時から休業要請を大幅に緩和することを発表した。道が休業要請解除の目安としていた「5月末までに目指す姿」の3指標を3日連続でクリアしたため。石狩管内を除く地域のパチンコ店や映画館などの他、1000平方メートル以上の博物館、美術館、図書館も全道で解除される。
道は16日から、新規感染者が集中する石狩管内を除く地域で休業要請を一部解除しており、今回は追加緩和となる。「目指す姿」では(1)新規患者数が10人以下(直近1週間の平均値)(2)経路不明の新規患者数が3人以下(同)(3)入院患者数250人以下―の三つの指標を示しているが、「石狩管内でも目標を達成した」(鈴木知事)として新たな解除を決めた。
すでに他の地域で解除している1000平方メートル以下の各種商業施設や飲食店の午後7時以降の酒類提供自粛要請については、石狩管内も加えて全道で解除。ネットカフェや漫画喫茶、ボウリング場などは石狩管内を除く地域で要請が解除される。一方、「全国でクラスター(感染者集団)が発生した施設などは引き続き休業をお願いしたい」(知事)とし、ナイトクラブやスナックなど接待を伴う飲食店、ライブハウス、スポーツクラブなどは休業要請を継続する。
安倍晋三首相が31日の期限を待たず25日にも緊急事態宣言の全面解除を検討していることに関して、知事は「驚いた。今回の休業要請の一部解除は、総理発言以前から検討していたこと。25日の国の動きを注視し、その中で道の措置内容も見直していく」との姿勢を示した。
また、知事は休業要請解除に当たり、事業者に求める七つのポイントを整理した「『新北海道スタイル』安心宣言」も発表した。「第1波を乗り越えて、第2波の収束に向けて長期間にわたる闘いとなっている」と強調。「新型コロナウイルスに強い社会をつくっていく。そのためには事業者の皆さんにはビジネススタイルを、道民の皆さんにはライフスタイルを変えていただくことが重要」と新北海道スタイルへの協力を求めた。
この他、札幌市内に3棟設置している宿泊療養施設の1棟(アパホテル&リゾート札幌)を特措法に基づく「臨時の医療施設」に位置付け、22日に運用を開始したことも明らかにした。日中に医師が常駐し、北海道薬剤師会が運営する薬局と連携。「軽症者のうち、高齢者や基礎疾患がある人にも対応できることになる」と述べ、感染拡大の第2波の克服と第3波への備えとして医療機能を強化する姿勢を示した。
「新北海道スタイル」安心宣言(事業者に取り組んでほしい七つのポイント)
1.スタッフのマスク着用や小まめな手洗いに取り組みましょう。
2.スタッフの健康管理を徹底しましょう。
3.施設内の定期的な換気を行いましょう。
4.設備、器具などの定期的な消毒・洗浄を行いましょう。
5.人と人との接触機会を減らすことに取り組みましょう(一定の距離=2メートル程度=の確保、間仕切りなどの活用や人数制限、空席の確保)
6.お客さまにもせきエチケットや手洗いを呼び掛けましょう。
7.お店の取り組みをお客さまに積極的にお知らせしましょう。