白老町は9日、町東町の町総合保健センターから大町の町役場などにかけて、初めての「認知症高齢者等捜索模擬訓練」を行った。町民や関係者ら約108人が参加し、道に迷って帰れずに困っている人の発見や声掛け、保護の手法などを実地で学んだ。
地域全体の見守り意識の向上や、いざというときの体制構築が狙い。行方不明者の捜索時に町民が迅速に役割を理解して警察や消防、家族に連絡し、事故や事件を未然に防ぐことができるよう訓練した。
大塩英男町長と子ども支援課、健康福祉課長の3人が帰宅困難者役を担い、参加者がスマートフォンの「みまもりあいアプリ」を使って手掛かりを得ながら同センターから役場までの約1キロを歩いて、捜索を行った。
3人はそれぞれシールを手にしており、見つけた人に貼付。約40分の捜索で、3人全員を見つけた町民は19人だった。大塩町長は総評で「訓練を通して町民の皆さんと共に助け合い、困っている人を探し、保護する体験ができてよかった」と述べた。
町によると、少子高齢化などの影響で近年、認知症や障害により、自宅を出たまま行方不明になる事案が増加傾向にある。町が所管するSOSネットワークを利用した捜索は2024年度に2件行われているという。