苫市社協 外出自粛の高齢者支援、運動紹介の冊子作成

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  • 2020年5月21日
冊子を発行した地域福祉第1係の職員

  苫小牧市社会福祉協議会は、新型コロナウイルスの流行に伴い高齢者の外出機会が減っていることを受け、自宅でできる体操や脳トレなどを紹介する冊子「おうちで楽しめーる便」を作成した。筋力の衰えや認知機能の低下を懸念して始めた取り組み。町内会連合会などを通して配布したところ、一定の反響があった。ウイルスの流行が収まるまで月1度のペースで発行を続ける考えだ。

   冊子を作成したのは地域福祉課地域福祉第1係の生活支援コーディネーターやコミュニティーソーシャルワーカーとして勤務する職員ら。感染症の流行で2月下旬から地域活動ができない高齢者などが増えていることを踏まえ、「何かできることはないか」と模索。地域の居場所づくりや介護予防を目的に定期開催している「ふれあいサロン」が当面休止していることもあり、自宅での気分転換と一人暮らしの高齢者宅を訪問するきっかけにしようと冊子作りを始めた。

   内容は計算や漢字問題、クロスワードといった脳トレのほか、感染症予防の取り組みや口腔体操、簡単な筋肉トレーニングのメニューを写真やイラストを使って分かりやすく紹介。自粛生活に役立つ情報なども盛り込んだ。

   14日に町内会連合会や老人クラブ連合会を通じて、各単位団体などに約240部を配布。一部の町内会から「全会員に届けたい」と追加要望が出るなど好評なため、2000部まで増刷した。冊子は社協が入居する市内若草町3の市民活動センターでも配布しており、社協ホームページからもダウンロードできる。

   冊子の配布に合わせ、ウイルス流行を踏まえた各団体の活動状況や支援要望、外出自粛の長期化に伴う心配事などをアンケートで調査しており、結果を今後の活動や対策に生かす方針という。

   地域福祉第1係によると、ふれあいサロンの再開時期に関する問い合わせや孤独死への不安相談、長期の外出自粛などによる「コロナ鬱(うつ)」の症状が見られる人もいるといい、千寺丸洋係長は「冊子を有効活用して気分転換してほしい」と呼び掛けている。

   問い合わせは苫小牧市社協の地域福祉課地域福祉第1係 電話0144(32)7111。

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