北海道は国の新型コロナウイルスの緊急事態宣言が続き外出自粛を求められる一方で、道は石狩管内を除く地域で飲食店などへの休業要請を緩和した。このためか先週末は、苫小牧市内の商業施設や飲食店などで3密(密閉、密集、密接)となる光景も散見された。東胆振では、感染予防と経済活動のバランスをどう取ればいいのか―。市の危機管理室に聞いた。
Q 道は「特定警戒都道府県」になっている。外出自粛は続けるべきか。
A 北海道は緊急事態宣言が解除されておらず、知事権限で外出自粛要請も出ている。不要不急の外出は控えて―というのが大前提だ。
Q 不要不急ではない外出とは。
A 例えば、病院に通う、必要な食料品や日用品を買いに行く、職場に行く―など。本当に、いま必要な外出なのかを考えてほしい。
Q 道の休業要請は石狩管内以外で緩和されたが。
A 感染予防策と経済活動の両立を考える段階に来ている。クラスター(感染者集団)や感染経路が不明な患者が発生しているのがほぼ石狩管内という状況から、一部の施設に対する制限について他の地域と差が出た。
Q 市内の商業施設や飲食店などで営業を再開した店舗もある。支援する意味で積極的に利用してよいのか。
A 外出の自粛要請は継続しているので、申し訳ないが「積極的に外食を」とは言えない。しかし、「全く駄目だ」とも言えない。だから、行くならば感染予防対策を意識し、(政府の専門家会議が提言した)新しい生活様式に基づいた行動を取ってほしい。
Q 新しい生活様式とは。
A 今までより小まめに手を洗う。外出する時は症状がなくてもマスクを着ける。会話するときは真正面を避け、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を保つ。買い物も素早く済ませ、多人数で行かない。食事は大皿を避け、料理は個々に分けて出し、おしゃべりも控えめにする。対面ではなく、横並びに座る―など。
Q 苫小牧市内では4月以降、感染者が出ていないが。
A 「感染者が出ていないから、もう少し自由にしても」と言う人もいるが、札幌圏に近い地域なので、いろんなリスクが考えられる。ご不便をお掛けするが、感染症のまん延を防ぐため引き続き協力をお願いしたい。自分だけでなく、家族も守ることになる。