政府は新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が継続している8都道府県について、解除の是非を21日に判断する。感染が沈静化している京都、大阪、兵庫の3府県で解除が有力視される一方、新規感染者数が解除の目安を上回っている北海道や東京は厳しい情勢だ。
菅義偉官房長官は19日の記者会見で、8都道府県の感染状況について「緊急事態を宣言した時期と比較して新規の感染者数は大きく減少している」との見方を示した。
政府は21日、医療や経済などの専門家でつくる諮問委員会を開催し、解除対象を諮問。承認が得られれば、政府対策本部で決定する。
14日に39県で緊急事態宣言を解除した際、政府は残る8都道府県についても、期限である31日を待たずに解除を検討すると説明。直近1週間の新規感染者数が10万人当たり0・5人を下回ることなどを「目安」に挙げた。
19日までの1週間で試算すると、この条件を満たしているのは埼玉、千葉、京都、大阪、兵庫の5府県。このうち関西地方の3府県について、政府関係者は直前まで推移を見極める必要があると指摘しつつも、「21日に解除できる、というのが政府内の共通認識だ」と語った。
一方、北海道、東京、神奈川は解除基準の0・5人を上回った。埼玉と千葉は基準をクリアしたものの、隣接する東京に先行して解除した場合、都内から両県の遊興施設などに人が流入する懸念があり、21日の解除は難しいとの見方が強い。
西村康稔経済再生担当相は19日の会見で、首都圏の1都3県について「基本的には一体的に(解除を)判断する」と説明。感染者数以外の基準として重症者数や病床の確保状況などを挙げ、「ぎりぎりまでしっかりデータを見て判断したい」と述べた。