全国の高校生が共生社会について考えるイベント「ウアイヌコロ会議」が来年1月11日、白老町若草町の民族共生象徴空間(ウポポイ)で開かれる。道内5高校の生徒約40人がホスト役を担い、道外から参加する9高校の生徒約40人と教職員、企業関係者を案内する。道内高校生は当日に向け9月から事前学習に取り組んでおり、今月9日にはウポポイを見学してアイヌの文化や歴史をじっくり学んだ。
「ウアイヌコロ」はアイヌ語で「尊敬し合う」の意。同会議は、アイヌ民族文化財団(札幌市)、道教育委員会、道観光機構、日本旅行北海道で組織する実行委員会が運営する。高校生と引率者ら合わせて約100人が参加し、「全体会」で共生社会をテーマに議論するほか、オーストラリアのカンタス航空、日本ハムファイターズ、日産自動車の社員も参加する「分科会」で意見交換する。
この日のウポポイ見学には札幌日大高、登別青嶺高、岩見沢東高などの生徒34人が参加。体験交流館でアイヌ伝統芸能を鑑賞し、伝統的コタンで文化解説プログラムを受講した。国立アイヌ民族博物館では映像鑑賞や学芸員の講話からアイヌの文化や歴史、ウポポイが誕生した経緯などを学んだ。常設展示も見学し、職員に質問して理解を深めた。
オンラインを含めた事前学習は3回目で、29日と12月に残り2回を実施し、当日を迎える。札幌日大高2年の吉田凱星(かいせい)さん(17)は、無意識の偏見や思い込み、差別などの言動によって傷つけてしまう「マイクロ・アグレッション」に触れ「自分の無知や先入観による言動で相手を傷つけないようにしながら学ぶ必要がある。共生について全国の高校生たちと同じ目線で考えていけたら」と話していた。